染色体の説明を読んでいて、わかりにくいと思ったことはありませんか?
私はよくあります。
大学時代は、生命科学を専攻していて、参考書やネットの解説を多く見てきましたが、お世辞にもわかりやすいとは言えません。
文章で長々と書いていますが、結局何が言いたいのかがわからない。
皆さんにもそんな経験が、あるのではないでしょうか?
今回は、理解に必要のない箇所を省いて、染色体を 簡単にわかりやすく解説します。
染色体とは?簡単にわかりやすく一言で
染色体は、細胞分裂時に見られる、DNAをきれいに折りたたんだものです。
DNAについて学んだ時、DNAはつなぎ合わさると2mぐらいあるって聞いたようなあ・・・
そう。染色体がどのように折りたたまれているのか見ていくぞ。
染色体をもっと詳しく
DNAは、細胞の核に存在しています。
核の中のDNAは、細胞分裂する際にきれいに折りたたまれて、染色体という構造をとります。
うーーん。DNAは絡まったりしないのかなあ?
僕は、イヤホンを使ってるとすぐに絡まっちゃうんだけどなあ。
DNAは、ヒストンというタンパク質に巻き付いています。
ヒストンに1.75周巻き付くと、また別のヒストンに巻き付きます。
このDNAがヒストンに巻き付いた構造をヌクレオソームと呼びます。
ああ、なーるほど。
イヤホンが絡まないように巻いておくように、DNAもヒストンに巻き付いているんだね。
ヌクレオソームは、6個のヌクレオソームで1周するらせん状になり、これをクロマチン繊維と呼びます。
さらに、クロマチン繊維は巻かれていき、染色体へとなります。
OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像
ヒトの一番大きい染色体をパスタに例えてみよう。
パスタの直径1mmとすると、長さはなんと40キロメートルにもなるんじゃ。
染色体は、フルマラソンの距離に近いパスタを長さ5m、幅60cmに折りたたんだものということになるのじゃ。
染色体は、生物によって本数が決まっています。
例えば、人の場合、23番まで番号が付けられた染色体をそれぞれ2本ずつ持つため、全部で46本持つことになります。
なんで染色体を2本ずつ持っているんだろう?
この2本の染色体は、父親由来、母親由来の染色体なんじゃ。
じゃから、2本ずつ染色体をもつことになるんじゃ。
ヒトの場合、23番目の染色体は性決定に関わるため、性染色と言います。
女性の場合はX染色体と呼ばれる染色体を2本、男性の場合はX染色体とY染色体のそれぞれ1本ずつを持っています。
Y染色体は、X染色体に比べて短く、X染色体の3分の1程度じゃ。
ちなみに、Y染色体の遺伝子数は128個で、他の染色体に比べてダントツで少ないのじゃ。
誰かに話したくなる染色体雑学
Y染色体は男性しか持っていないものだったはず。
このまま、退化してY染色体がなくなったら、男は絶滅するのかな?
オックスフォード大学の研究によると、チンギスハーンのY染色体はアジア16地域でおよそ1600万人の男性に引き継がれているそうじゃ。
まとめ
- 染色体は、DNAが細胞分裂時に、きれいに折りたたまれたものである
- DNAはヒストンというタンパク質に巻きついたヌクレオソームが、巻かれてクロマチン繊維になり、さらに巻かれて染色体になる
- 染色体の本数は生物種によってさまざまで、人の場合は23対46本である