無敵の聖帝サウザー遺伝子とは?

遺伝子教室

サウザー遺伝子。

この名前を聞いて、思い浮かべるのはおそらく彼ではないでしょうか?

そう、北斗の拳でケンシロウを完膚なきまでに打ち負かした南斗六聖拳の使い手、聖帝サウザー。

北斗の拳のサウザー様と関係あるの?
なんで、こんな名前が付いたの?
どんな働きをしているの?

そんな皆さんの疑問にこの記事ではお答えします。

なぜそんな名前がついた?

サウザー遺伝子は、2004年に東京理科大学の松野健治助教授(当時)の研究グループにより、ショウジョウバエの消化管の左右非対称性の研究で見つかりました。

ヒトの内臓器官のほとんどは左右非対称であるように、ショウジョウバエの消化管にも左右非対称性が存在します。

この仕組みを解明すべく、ショウジョウバエの遺伝子に突然変異を起こし、消化管の左右が逆転しまうハエを見つけました。

そして、松野教授はそのハエから見つかった遺伝子について、以下のように述べています

この突然変異を、“北斗の拳”の登場人物のサウザーの内臓が左右反転していることにちなんで、サウザー遺伝子と名付けました。

個々の細胞の形の左右の歪みが合さって臓器の形を左右非対称に変えるより引用

 

つまり、サウザー遺伝子の名前の由来は、聖帝サウザーから来ていたということになります。

 

サウザー遺伝子の働きとは?

サウザー遺伝子に変異があると、ショウジョウバエの消化管の左右が逆転しまうことから、消化管の左右の決定に関わっていることがわかります。

しかし、詳細な働きについてはまだわかっていません。

後の研究では、サウザー遺伝子に変異があるハエでは、ミオシンというタンパク質のMyo31DFタイプに異常があることがわかっています。

ミオシンは細胞内の物質の運び屋で、アクチンと呼ばれるレールに沿って、物質を運搬します。

つまり、サウザー遺伝子に変異があるハエでは、細胞内の物質輸送に異常が起こり、消化管の左右が逆転しまうのです。

 

まとめ

  • サウザー遺伝子は、北斗の拳の登場人物「サウザー」の内臓が左右反転していることにちなんで名づけられた
  • サウザー遺伝子は細胞内の物質の運び屋であるミオシンタンパク質に関係があり、サウザー遺伝子に変異があると、細胞内の物質輸送に異常が起こり、消化管の左右が逆転してしまう
タイトルとURLをコピーしました