恋愛の相性は遺伝子で決まる?その真実とは

遺伝子教室

恋愛の相性は何で決まると思いますか?

性格、趣味、価値観、血液型、共通点が多い

実は、恋愛の相性に遺伝子が関わっているのです。
それを無意識に判別しているとか・・・

今回は、恋愛の相性と遺伝子について解説していきます。

 

恋愛の相性は匂いで分かる?

匂いと相性にまつわる面白い実験があります。

それは、スイス・ベルン大学動物学教室のクラウス・ウェデキントたちの研究です。

この実験では、44人の男子学生にTシャツを着せて寝かせ、そのTシャツの匂いを50人の女子学生に嗅がせました。女子学生には、その匂いが心地良いか、セクシーかどうかを10点満点で採点してもらいます。

そして、採点の良し悪しと、男子学生と女子学生のMHC型にどんな関係があるのかに着目しました。

MHCというのは、もともと臓器移植の時の相性を見つける物質として見つかったもので、次のセクションで詳しく解説します。

すると、男子学生と女子学生のMHC型が似ていると点数が低くなり、MHC型が似ていないとほど点数が高かったのです。

つまり、MHC型が似ていないもの同士が惹かれあい、それを匂いで判別しているという結果が出たのです。

 

恋愛の相性を決めるMHCとは?

MHC (Major Histocompatibility Complex; 主要組織適合性複合体)は、細胞の表面にある糖タンパク質です。
人の場合は、特にHLA(Human Leukocyte Antigen; ヒト白血球抗原)といいます。

先ほども書きましたが、MHCというのは、もともと臓器移植の時の相性を見つける物質として見つかったものです。

臓器移植で問題になる拒否反応ですが、これはこのMHCを見て、よそ者だと判断されてしまうと起こるのです。そのため、臓器移植する際には、MHC型が一致している人の臓器でないといけないのです。

つまり、MHCというのは、自分なのか他人なのかを示す名札のような役割をしているのです。

また、MHCには体内に侵入してくるウイルスや細菌、寄生虫などのよそ者に反応して、そのタンパク質のかけらを保持し、免疫細胞に伝えるという重要な働きもあります。

では、人はなぜMHC(HLA)が違う遺伝子を求め合うのでしょうか?

 

なぜMHC型が似ていない恋人を選ぶ?

MHC型が似ていないということにどんなメリットがあるのでしょうか?

その答えの一つは、病気に強くなることだと言われています。
先ほど、MHCには体内に侵入してくるウイルスや細菌、寄生虫などのよそ者に反応して、
そのタンパク質のかけらを保持し、免疫細胞に伝えると説明しました。

しかし、体内に侵入してくるよそ者の種類は様々で、MHCの型によっては相性が悪く、タンパク質のかけらを保持できない場合がありうるのです。そうすると、免疫細胞に伝えることができず、病気になってしまいやすくなるのです。

MHCの型が違うものでは、このようなことが起こりにくくなります。すなわち、病気が起こりにくくなるのです。

 

他のメリットとして、近親結婚による近郊弱性を起こりにくくすることがあげらています。

近郊弱性を簡単に説明すると、遺伝子が近いもの同士が結婚することで、遺伝病になりやすかったり、障害がもった子が生まれやすくなることです。

MHC型が似ていない恋人を選ぶということは、遺伝子が似ていない相手を選ぶことになるので、近親結婚を避けることにつながるのです。

 

まとめ

  • 人は匂いを通して、MHC型の違う恋人を選んでいる
  • MHCは、自分と他人を示す名札のような役割や体内に侵入してくるよそ者に反応して、免疫細胞に伝える働きがある
  • MHC型が似ていない恋人を選ぶことは、病気に強くなる子を産んだり、近親結婚による近郊弱性を防ぐことにつながる
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