ソニックヘッジホッグ遺伝子と聞いて何を思い浮かべますが?
おそらくほとんどの人がセガの人気キャラクターソニック・ザ・ヘッジホッグを思い浮かべたのではないでしょうか。
新種生物が発見された際に発見者が命名できるように、新しく見つかった遺伝子も発見者が名前を付けることができます。
では、なぜこんな名前を付けたのか、セガのキャラクター「ソニック」と関連があるのか、どんな働きをするのかをこの記事で解説していきます。
そもそもソニック・ザ・ヘッジホッグとは?
ソニック・ザ・ヘッジホッグは、1991年にゲームソフトとして発売されました。
スピード感あふれるゲーム性とソニックのクールなキャラクターが人気を博し、全世界で400万本も売れているそうです。
その人気はゲームだけにとどまらず、ハリウッド映画化にも展開されています。
ソニックは、名前の通り超音速のハリネズミです。青い体にに白い手袋と赤い靴が特徴的で、クールな性格をしています。
ソニックの詳細が知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。
SEGA ソニックチャンネル キャラクター ソニック
なぜこんな名前が付いた?
ソニックヘッジホッグ遺伝子の経緯を知るには、まずはヘッジホッグ遺伝子について理解する必要があります。
ヘッジホッグ遺伝子は1980年に、ショウジョウバエの変異体で見つかった遺伝子です。
この遺伝子に変異が起こると、幼虫が丸々とした体形になり、幼虫のお腹にだけ生える歯状突起が全身で生えるようになります。
この様子がハリネズミに似ていたことから、ヘッジホッグ遺伝子と命名されたそうです。
その後、ショウジョウバエだけでなく、他の生物でもヘッジホッグ遺伝子と似たような遺伝子が見つかり、デザートヘッジホッグ、インディアンヘッジホッグという名前が付けられました。ハリネズミ縛りですね。
そして、1993年にマウスで似たようなヘッジホッグ遺伝子と似た遺伝子が見つかり、その時につけられた名前が「Sonic hedgehog(ソニックヘッジホッグ)」。
当時研究していた大学院生が、ソニックのゲームに夢中になっていたことからこの名前がついたのだとか・・・
ちなみにセガ公認です(笑)
SEGA ソニックチャンネル 年表
ソニックヘッジホッグ遺伝子の機能とは?
題名にある通り、ソニックヘッジホッグ遺伝子は音速のハリネズミになるのか?
ここまで読んだあなたならその答えはわかりますよね。答えはNOです。
ではどんな働きをしているのか?
岡山医学会雑誌の「ソニック・ヘッジホッグ(Sonic hedgehog)を用いた新たな心筋組織の修復」では以下のように説明されています。
Shh は胎生期の発生段階において最も重要な morphogen として知られている.
すなわち,胎生期の個体発生の際,形態形成に深くかかわることが知られている.
うーーん。実にわかりずらい。
簡単に言うと、胎生期の個体発生、すなわち受精卵から細胞分裂をして赤ちゃんができる過程で、手足や脳組織などを形づくるのに重要な働きをしているということです。
その証拠に、ヒトのソニック・ヘッジホッグ遺伝子に変異があると、全前脳胞症 (HPE) を引き起こすほか、多指症になることなどが知られています。
また、胎生期だけでなく大人になってからも働き、がんや薄毛にも関わっているのではないかと言われています。
まとめ
- ソニックヘッジホッグ遺伝子は、ヘッジホッグ遺伝子と似た遺伝子として見つかり、ソニック・ザ・ヘッジホッグにちなんで名づけられた
- ソニックヘッジホッグ遺伝子は、細胞分裂をして赤ちゃんができる過程で、手足や脳組織などを形づくるのに重要な働きをしている
- 胎生期だけでなく大人になってからも働き、がんや薄毛にも関わっているのではないかと言われている