子供に「遺伝子って何?」と聞かれたとき、皆さんはどのように答えますか?
また、遺伝子とDNAの違いについて、どのように説明しますか?
大学で生命科学を専攻し、当たり前のように遺伝子に触れていた私も、いざ説明しろと言われると、とても苦労しました。
特に就職活動では、自分の研究内容を専門知識がない人に説明しなければなりません。
そんなときは、子供にでもわかるように言葉をかみ砕いて、遺伝子について説明していました。
そんな経験をした私が、今回は遺伝子を子供に説明できるように簡単に解説します。さらに、イラストを踏まえた説明で深堀し、遺伝子雑学も記載しました。
この記事を読み終わるころには、きっと遺伝子について子供に説明できるようになっているはずです。
遺伝子とは? 子供に説明できるように一言で
遺伝子を一言でいうと、親から子にある特徴(専門的には形質と言います)を伝えるためのものです。
今日は僕の紹介だね。
うーーん。だけど、この説明だと抽象的すぎてよくわからないな。
例えば、両親とその子供は顔や体形などが似ていることが多いじゃろ。
これは、顔や体形といった特徴が子供に受け継がれているからなのじゃ。
この特徴が子供に受け継がれることを遺伝するといい、受け継がれているものが遺伝子なんじゃ。
遺伝子とは? 子供に説明できるようにもっと詳しく
遺伝子は、顔や体形といったある形質を伝えるための因子ですが、具体的にどのようなものなのか?
その正体は、DNAの一部なのです。
そういえば、DNAについて学んだ時に、DNAには遺伝情報が記録されているって言ってたなあ。
そう、DNAに記録されている遺伝情報というのは、遺伝子なのじゃ。
遺伝子は、DNAの一部ですから、DNAと同じように4種類の塩基(アデニン、チミン、グアニン、シトシン)で構成されます。
遺伝子は、この4種類の塩基でタンパク質のアミノ酸配列を決めているのです。
遺伝子というのは、いわばタンパク質を作るためのレシピや設計書みたいなものなのじゃ。
なーるほど!
DNAは生物を形作る情報つまったものと学んだけど、つまりDNAはタンパク質のレシピがいっぱいつまったものなんだね。
遺伝子には、身長に関わるものや男性・女性を決めるものなど様々な種類があります。
ヒトの遺伝子数は約2万2000個ぐらいだと言われています。
誰かに話したくなる遺伝子雑学
DNAの中で遺伝子の占めている割合はかなり少ないんだね。
残りの97%には、どんな役割があるんだろう。
一昔前までは、機能を失った遺伝子やウイルスが残していった「ゴミ(ジャンク)」だと思われていて、「ジャンクDNA」なんて呼ばれていたりしたんじゃ。
しかし最近では、このジャンクDNAに重要な働きがあるじゃないかと、注目が集まっているぞ。
まとめ
- 遺伝子は、ある形質を伝えるための因子
- 遺伝子はDNAの一部であり、タンパク質を作るためのレシピや設計書みたいなもの
- 様々な種類の遺伝子があり、人の場合は約2万2000個