あけましておめでとうございます!フルルです。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、早速ですが、皆さんはお正月をどのように過ごされていますか?
旅行に行く人もいれば、実家に帰ってゆっくり過ごす人もいるでしょう。
お正月の定番と言えば、おせち料理や初詣ですが、おせちの昆布巻きは、健康長寿の意味が込められており、初詣では健康長寿を願うのではないでしょうか?
健康や長寿を願うお正月ですが、実は寿命を延ばせるかもしれない、そんな遺伝子が見つかっているのです。
今回は、寿命のメカニズムとともに、寿命を延ばす遺伝子について紹介します。
なぜ寿命が存在するの?
平均寿命は年々伸びており、厚生労働省の「簡易生命表(令和元年)」によると、
2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳です。
しかし、「諸行無常」という仏教の考え方でもあるように、形ある物はいつかは壊れてしまうのです。
人間の体も例外ではありません。
米ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学の研究者らによると、
人間の寿命はどんなに伸びても最長で約115年かもしれない、と発表しています。
なぜ、老化が起こり、寿命を迎えるのか?
その答えの一つが、ほとんどの細胞には、分裂できる回数に制限があるということです。
細胞の分裂回数に制限があることを、発見者の名前にちなんで、「ヘイフリック限界」と呼ばれています。
そして、分裂できる回数を決めているのがテロメアだと言われています。
テロメアとは、はたして一体何者なんでしょうか?
細胞の寿命を決めるテロメアとは
テロメアは、染色体の末端にある繰り返し配列のことを指します。
DNAは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基と呼ばれるもので構成されており、人の場合は約30億個つながってできています。
人のテロメアは、TTAGGGという配列が繰り返されており、約1万塩基の長さです。
そして、テロメアには以下の働きがあります
- 染色体末端の保護(染色体構造の安定化)
- テロメアよりも内側のDNAが削られてしまうのを防ぐ
特に2番の働きが、寿命と関係しています。
というのも、細胞が分裂する際には、染色体(DNA)を複製しなければなりませんが、末端部分は一部欠けてしまいます。これを末端複製問題と言います。
分裂を繰り返していけばいくほど、染色体(DNA)が短くなってしまい、遺伝情報が失われていってしまいます。
これをテロメアがあることで、防いでいるのです。
実際、細胞分裂を繰り返していくと、テロメアが短くなっていき、一回の分裂で、50~100塩基ずつ短くなるそうです。
そして、5000塩基まで短くなると、細胞の寿命が来て、分裂をしなくなると言われています。
つまり、テロメアは、細胞分裂の回数を数える物差しとしても働いているのです。
細胞の寿命を延ばすテロメラーゼ遺伝子とは
世の中には、半永久的に分裂することができる細胞があります。
それは、皆さんもご存じのがん細胞です。
では、なぜがん細胞は、半永久的に分裂することができるのか?
それは、がん細胞では、テロメラーゼという酵素により、テロメアを伸ばしているからです。
テロメラーゼを作るテロメラーゼ遺伝子というのは、がん細胞以外の普通の細胞でもあります。
しかし、他の細胞ではテロメラーゼの働きが抑制されていますが、がん細胞ではこの酵素の活性が強いのです。
また、卵や精子などの生殖細胞でもテロメラーゼの活性があることが知られています。
まとめ
- 細胞には分裂できる回数に制限があり、これが寿命を決めている
- テロメアは、染色体末端の保護やDNAが削られてしまうのを防ぎ、細胞分裂の回数を数える物差し的な役割もしている
- テロメアを伸ばすテロメラーゼという酵素の活性が高いと半永久的に細胞分裂ができ、生殖細胞やがん細胞で見られる